空を見上げると、口開いちゃう

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戦い終えて

今週のお題「忘れたいこと」

 

大学生最後のテニスの大会のことです。

 

その年、大学最終学年の私は、卒業試験対策やらなんやらで部活の練習をできない日も少なくなく、あまり調子が良くなかったものの、小さいころからテニスをしていた貯金というか小手先のテクニックがあったので、出た試合はどうにかこうにかすべて勝利していました。

 

そして迎えた最後の大会、団体戦の初戦。

 

私は団体戦しんがりに出場する、いわゆる『大将』の座に指名されました。

 

団体戦は5戦(シングルス3戦、ダブルス2戦)あるうちの3つをとれば、その時点で勝利が確定します。私のチームには強いやつらがそろっていたので、私には出番がないものだと思っていました。

 

しかし、相手のチームは当初の予想よりも強かった。かつ、テニスには相性みたいなものがありますが、オーダーの組み合わせが外れてしまい、ことごとくうちのチームは相性の悪い相手とばかり当たってしまい、絶対に勝つと思っていた私のライバルだったメンバーも負けてしまいました。

 

そして私に出番が回ってくることになりました。予想外でした。

 

気持ちも整っていない、小手先ばかりで勝ってきた私が、勢いの乗った気合十分の相手チームの大将に勝てるわけがありませんでした。

 

持てる限りのテクニックを使用しても、粘ることが精いっぱい。その年最初の敗戦は、大学生最後の大会の初戦に訪れてしまいました。そしてチームも敗退が決まり解散になってしまうのです。

 

申し訳ない気持ちでいっぱいでした。試合が終わった後、みんなに向けて挨拶をします。私はこれまでの感謝の気持ちと、今日のふがいない試合の申し訳なさ、これで終わりになってしまう寂しさをみんなに伝えました。長々と。涙をぼろぼろこぼしながら。

 

みんなも下を向きながら聞いてくれていました。

消えてしまいたいぐらいの気持ちでした。

 

そして翌日。解散の日。

 

すこし気持ちも落ち着いて、笑顔でみんなと話しができました。

 

じゃあ、またなってそれぞれ帰っていきます。

 

帰りがけに同級生が声をかけてくれました。

 

そして昨日のあいさつの話になりました。

 

 

「お疲れな。また大学で。ところでさ。

 

 昨日のあいさつだけどさ。泣いてて、何しゃべってるかほとんど分かんなかったけど、何て言ってたの?ほかのやつらもよく分かんなかったって」

 

・・・

 

・・・

 

なにーーーーーっ?!

 

 

感謝と謝罪と寂しさを伝えたつもりが、

 

ただの嗚咽を長々と聞かせていただけだったってことかーーーーっ!

 

みんなが下を向いていたのは退屈だっただけのことかーーーーっ!

 

ぐわーーーーーっ!

 

恥ずかしーーーーーっ!

 

・・・・・・・

 

ということで、

 

あの敗戦とあいさつは、忘れたくても忘れられない、痛い痛い思い出。

 

あれが忘れられないから、あれから20年たってもいまだにテニスしてるってことなんでしょうけど。

 

 

今も時々サーブ練習している職場のコート(的な広場)を添えて。

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2021年12月撮影